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French elegance – パリのラグジュアリーホテルのインテリア術(告知編)

2016年9月、毎年この時期恒例の買付が一段落した週末、久々にパリ市内をゆっくり散策する機会がありました。お目当は、最近話題のラグジュアリーホテルのインテリアを見ること。ヴァンドーム広場やコンコルド広場、ルーブル美術館界隈だけでも徒歩圏内で幾つものホテルが軒を並べています。

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誰もが知る有名ホテル、宿泊しない時は敷居が高いと臆してしまいがちですが、ロビーはもちろん、レストラン、バーであれば、宿泊客以外でも気軽に中に入ってゆっくりとした時間を過ごすことができます。プチ贅沢を味わうなら、週末であれば思い切ってブランチを楽しんだり、午後の時間にティーサロンでお茶をしたり、夕食前にバーでドリンクを注文して、その空間の主人になったつもりでインテリアやサービスの一部始終を観察することもまた一興です。

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3年に渡る改修工事を完了し、その歴史にさらなるステージを刻んだとされる「Hotel Ritz Paris – オテル・リッツ」にも行ってきました。クラシカルな調度品やパリのエスプリあふれる華やかな装飾、館内を行き交う人々を見ているだけでまるで映画のワンシーン。花の香り漂う中庭にはゲストがプライバシーを保てるようにベンチもコーナーごとに分かれ、ブティックが軒を連ねる長廊下はまるで市内に残る往年のカバードアーケードのような美しさです。

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一方、パリを代表するホテルは、オテル・リッツにのようなフレンチクラシカルだけではありません。リッツのあるヴァンドーム広場から徒歩5分、デコレーターの大御所、ジャック・ガルシアが手がけた「Hotel Cost – オテル・コスト」は劇場型。間接照明のみの廊下、緞子を張り巡らしたバーラウンジ、あえて広さよりも奥行きを強調するドラマチックな室内装飾で知られ、まさに大人の遊び場のような雰囲気が漂います。

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ホテルエントランス脇の通路とその通路に連なる小部屋。電話室のようにも見えますし、劇場の楽屋の入り口のようにも見えます。なんとも好奇心をそそられる一角なのですが、上背のあるボディガードのようなドアマンがいたため残念ながら写真を撮るのが精一杯。

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ガルシア氏は、最近またピガールの歓楽街に、ベル・エポック期の高級娼館をイメージした「Hotel Maison Souquet – オテル・メゾン・スーケ」をオープンしています。こちらも中に入ってみると、密室とも言えるような小部屋が連なり照明は暗め、緞帳や主に若い女性を描いた油絵や花柄のソファなどが印象的です。

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なるほど、ホテル文化を突き詰めていけば、そこには「大人が日常から遮断された時間を最大限に楽しむ」ための、凝った演出が施されていることがわかります。ロビーラウンジは程よい間接照明やゆったりとしたソファは、客が居心地よく過ごすための大道具として必須ですし、バーコーナーやレストランでは、ホテルオリジナルのドリンク、気の利いたテーブルウェアなどの小道具が、そこに客の足を運ばせる鍵となります。印象が全て。よそとは違う何か大きな個性が、4つ星、5つ星を冠するホテルには求められているのです。

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3区にできた「Les Bains – レ・バン」は、そうした「大人の遊び場」が進化した格好の例かもしれません。マネやゾラも通ったという浴場だった建物が、その後、商業デザイナーとしてはまだ駆け出しだった時代のフィリップ・スタルクによってコンサートホール、ディスコ、レストランを擁したナイトクラブとなり、それが一旦閉鎖された後、2015年夏、ホテルとして再生。大きな一つのホールと高い天井がレストラン、ラウンジ、バーを全て呑み込んだような造りになっていて、暗い小部屋で構成された著名なインテリアデコレーター、ガルシア氏の手法とは対照的。まさに大衆のための浴場だったという歴史を彷彿とさせます。

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さて、11月3日の祝日に、カルチャーサロン、「プティ・セナクル」で予定されている私のレクチャーでは、こうした最新のパリホテル事情と、実際に私自身が撮影した画像を使って、注目度の高いラグジュアリーホテルのインテリアのディテールについてお話しします。家具や装飾品に焦点を向けつつも、それら大道具・小道具を引き立てる脇役、照明や配置、空間の作り方についても言及します。

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また、インテリアに欠かせないテーマやスタイルの歴史についても語ります。フレンチスタイルの中でも最も重要な18世紀と19世紀の違い、20世紀に入ってから台頭したアール・デコが未だ根強い人気を保つ理由とは何なのか、フランス人独特の美意識や流行の作り方の裏にある伝統についてなども一緒に考えてみようと思います。

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旅から学ぶ「art de vivire – アール・ド・ヴィーブル」。ヨーロッパの中でも常に最先端を行くパリのラグジュアリーホテルが、何よりまして最上のお手本であることは疑いようがありません。ヨーロッパの歴史の中で繰り返される流行や嗜好を理解することで、私たちの住空間でも使えるちょっとしたインテリアのコツ、センスを盗む、それが今回のレクチャーの狙いです。単なる観光では物足りない、もっとヨーロッパ文化の奥深さに触れたいと願う方、皆様のご参加をお待ちしております。

受講対象:一般
講座名 「フレンチ・エレガンス 真似してみたい、フランスのラグジュアリーホテルのインテリア術」
講師 福西弘美 maison d’art 主宰
日時 11/3(木) 13時~15時
会場 経堂教室 教室住所:東京都世田谷区宮坂2-19-1 石澤ビル2F TEL&FAX 03-3439-2044 小田急線・経堂駅南口より 徒歩約1分
受講料 6,000円 (お茶、お菓子付き)

◉ レクチャー参加申し込みはこちらから。

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