京都・花曇り・金タイルー古都に佇むアートカフェー

2015年の桜は、雨と雨の間をかいくぐり、静かに開花しました。
平安神宮の枝垂桜です。洛中の最も安全な場所で開く桜だけあって「箱入り娘」の風情。
大人しやかに枝を延ばしていますが、四月初めの週末、蕾はまだ完全には開き切っていません。

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この日朝には晴れ間が見えたものの、午後にかけてお天気は下り坂。忍び寄る雨を恐れて、用心したのでしょうか。明治を代表する名園、平安神宮神苑の紅枝垂は今週が見頃、四月半ばまで楽しめるそうです。

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平安神宮を後にして、鴨川べりに。食事の予約をした先斗町の小路を歩くと、河側の人の波とは裏腹にひんやりとした空気に満ちています。花よ、花よと通り過ぎる人の足もとで、お昼をもてなす料亭のつくばいには、凛とした落ち着きが漂います。桜の名所は全国津々浦々あれど、桜に限らずあまたの魅力を備えた古都。やはり京都はこうでなくちゃ。

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ふたたび、祇園界隈へ。円山公園の枝垂は人山に埋もれて遠くにかすんで見えました。知恩院の門前から白川に流れここでも表通りの人波に押しやられ、骨董屋の並びにある細い通りの喫茶店で一休み。町家を改造した店内は、意外にも靴のまま入れるテーブル席。通りから暖簾をくぐるだけですとんと椅子に座れる配慮が歩き疲れたにわか旅人を安堵させます。席から見張らせる空間の真正面、カウンター越しには壁に貼られたタイルが美しい鈍色を放っています。

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タイル自体は派手な色ではありませんが、透明ガラスと照明の効果で金色を放ち、落ち着いた華やかさがあります。まるでクリムトの名画、「接吻」のような、押し殺した熱情とでもいえばよろしいでしょうか。オープンキッチンの壁に貼るタイルは大切なアート。いわばその台所の顔。タイルの色の組み合わせもさることながら、大小とりまぜたサイズがリズミカル。よく考えられていたその面の構成に魅せられました。

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俵屋宗達の「風神雷神図」に代表されるように、背景に金を使ったり、その大胆な構図で知られる「琳派」。桃山時代から江戸後期まで活躍した京都の装飾芸術は、クリムトを初め、20世紀初頭のヨーロッパの絵画にも大きく影響したとされています。

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